NASは購入したものの、期待している通信速度が出ているか不安ですよね?
そんなとき、「iPerf」というツールを使用すると、簡単&正確に通信速度を測定することができます。
UGREEN NASにはこの「iPerf」が標準搭載されているため、PCやスマホ側の操作側にインストールするだけで完了します。
図をたくさん使用して説明していますので、初めての方でもわかりやすいかと思います。
「言葉の説明なんて不要。測定方法だけ知りたい!」って方は、こちらをクリックして読み飛ばしてください。
それでは一緒にやっていきましょう!
計測結果
DXP6800 Proでの測定結果です。ご自身の環境と比較してみてください。
iPerf(通信速度)

Ping(遅延時間)


有線10Gbps・WiFi-6Eともに期待通りの速度が出ています。スマホのpingを初めて計測しましたが、結構値大きいんですね…。
使用環境
クライアント①:Windows PC
- CPU:AMD Ryzen 7 3700X
- メモリ:DDR4-3200 96GB
- ネットワークカード:BUFFALO LGY-PCIE-MG2
クライアント②:iPhone 15 Pro(WiFi-6E)
サーバー:UGREEN NASync 6800 Pro
ルーター:NEC Aterm WX11000T12
- 有線LAN:10Gpbs x1
- 無線LAN:WiFi-6Eまで対応
LANケーブル:サンワダイレクト CAT6A LAN6ASL05BL
iPerfの測定イメージ
「iPerf」は通信速度を測定するツールとなります。
測定したい2拠点『サーバー(受信側)・クライアント(送信側)』にインストールして、通信速度を測定します。

測定経路上で、一番小さい通信速度が結果として出力されます。

本記事では、「UGREEN NAS」をサーバー、「PCとスマートフォン」をクライアントに設定しています。
通信速度が遅い時の原因の特定
もし想定の通信速度が出ていないと感じた場合、クライアントの接続位置を変更して速度を測定してください。
そうすることで、ボトルネックの原因特定が可能になります。
PC - ルーター - NAS

「10Gbpsでてないなー」となった場合、NASと直結して測定します。
PC - NAS(NASに直結)


この測定例だと、ルーターを通すと速度が低下するということがわかります。10Gbpsの環境が欲しい場合はルーターの交換が必要です。
iPerf測定結果(通信速度)とping値の違い
理解しやすくするために、イメージ図を作成しました。
iPerf測定結果(通信速度)
図のような通信経路の場合、「PC-NAS間」の最終的な通信速度は、通信速度の一番小さい「1Gbps」になります。
しかし、「PC-NAS間」の距離に変更がないため、ping値に影響はありません。

単純なデータのダウンロードを例にしてみました。
通信速度に差があった場合は、ダウンロード時間に大きく影響がでますが、ping値に差があった場合、数秒のタイムラグが生じるだけで、大きな影響にはなりません。

ping値(遅延時間)
図のような通信経路の場合、「PC-NAS間」の距離が短くなるため、ping値が改善されて値が小さくなります。
一方、通信速度は距離に関係なく「10Gbps」のままです。

ping(遅延時間)が大きいと、図のようにプレイヤーの操作が正確に反映されなかったり、状況の把握が遅れることがあります。

FPSや格闘、レースゲームのようなリアルタイム性が非常に重視されるゲームでは、わずかなタイムラグが勝敗を大きく左右します。

10秒遅延していた場合、ゲーム上で死んだ場合、映像として認識できるのは10秒後になります。ゲームとして成立しません。
以上のことから、多くの方が混同しがちですが、通信速度とping値は大きく性質が異なるため、ping値から通信速度を算出することはできません。
iPerfの測定方法
PCの場合
- 1
- 2iPerfをダウンロードする
※現在はiPerf3が最新バージョンになります。
- 3ダウンロードしたファイルを解凍する
- 4実行ファイルを「System32」に移動する
解凍した2個のファイルを、「C:\Windows\System32」にコピー&ペーストしてください。
- 5コマンドプロンプトを起動する
「ファイル名を指定して実行」からコマンドプロンプトを起動してください。
図のように、スタートメニューからも起動できます。
- 6コマンドを入力してiPerfを実行する
iperf3 -c 192.168.0.0
※IPアドレスは「NASのIPアドレス」に変更してください。
- 7通信速度を確認する
10回の測定結果の平均値がでます。
sender(送信側)とreceiver(受信側)が表示されますが、数値の小さい方が実際の通信速度になります。例であれば、7.22 Gbpsが通信速度の実効値となります。
受信側の方が小さくなる理由は、通信エラーによって受信ができていないデータがあるためです。
通信速度の測定は、以上となります。
- 8(おまけ)pingを測定する
せっかくなので、pingの測定方法も記載しておきます。
ping 192.168.0.0
※IPアドレスは「NASのIPアドレス」に変更してください。
平均値を読み取ります。
数値が小さい方が遅延時間が少なく、通信状態が良好ということになります。pingの測定は以上となります。
スマートフォンの場合
- 1
- 2アプリをインストールする
- 3アプリを起動し、NASのIPアドレスを入力する
- 4通信速度を測定する
右上の「Start」をタップし、測定します。
30秒待つと、通信速度の結果が表示されます。
例であれば、1,040 Mbpsが通信速度の実効値となります。通信速度の測定は、以上となります。
- 5(おまけ)pingを測定する
せっかくなので、スマートフォンのping測定方法を記載しておきます。
まずはping測定アプリをインストールします。
iPhoneの場合
Androidの場合
NASのIPを入力後、Pingをタップすると測定が開始されます。
適当なところでStopをタップして測定を停止後、Avgの数値を読み取ります。
平均値を読み取ります。
数値が小さい方が遅延時間が少なく、通信状態が良好ということになります。pingの測定は以上となります。
(おまけ)NTttcpでの測定
という情報を入手したので、早速「NTttcp」をDockerと仮想マシン両方で導入してみましたが、エラーが発生して測定できませんでした…。
Docker+DebianでNTttcpをビルド

PowershellのNTttcp接続エラー

仮想マシンでUbuntu Server導入

NTttcp中の接続状況


NTttcpポートは開放されており、接続していることは確認できたんですけどね…。なぜ測定できなかったのか迷宮入りです。
「NTttcp」での測定は難易度が高いので、皆さんは「iPerf」で測定しましょう!
まとめ
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。
ぜひ、期待する通信速度になっているか確認して、安心を手に入れましょう!
不明な点がございましたら、気軽にお問合せフォームよりご連絡をお願いします。できる限りサポートさせて頂きます。
それではまた会いましょう!

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