会社の大事なデータやプライベードの思い出の写真や動画をうっかり消してしまったことはないでしょうか?

私も昔、会社のサーバーデータをすべてぶち壊したことがあります。そのときは業者に頼んでも修復できませんでした…。
そういうトラウマもあって、NASでのバックアップ生活をするようになったわけですが、NASの導入は「コスト」と「PCの知識」が必要となります。
「もっと簡単にデータを守れないかなぁ?」と考えていたとき、
「バックアップって、データが復元できれば不要では…?」
と思い立ちました。
ということで、データ復元ソフトを探していたところ、最近話題のAIを搭載の
「RecoveryFox AI」
という製品を発見!!

「ChatGPT」や「Gemini」でおなじみのやつ!これは期待できそう…!
本記事では実際にソフトを購入して、使用感やファイルの復元検証をレビューしています。
さらに他社製品との比較表を用意していますので、気になる方は、ぜひご覧ください。
では、一緒に見ていきましょう!
総評

日頃からよく利用する内蔵ドライブ(CやDドライブ)などは、ほとんど復旧できませんでした。「USBメモリー」のように、頻繁に書き込まないデバイスには有効。やはり日頃からのバックアップが重要!
「バックアップ」はこちらがかなりコスパが良くてオススメです。興味のある方はぜひ、こちらの記事もあわせてご一読ください。
「RecoveryFox AI」を実際に使った、率直な感想をまとめました。
WonderFox Softは、動画編集やDVDリッピングソフトで知られる中国のソフトウェア企業です。今回「RecoveryFox AI」でデータ復元分野に新規参入したようですが、まだ成熟には至っていない印象でした。

現段階では「RecoveryFox AI」を正直おすすめできません。復元できないわけではありませんが、フリーソフトの「Recuva」と比較しても復元力が弱かったのが残念です。新規参入企業ということですので、今後のアップデートに期待したいところです。
無料で済ませたいなら「Recuva」
有料の場合はデータ検出数が多く、プレビュー性能の高い「EaseUS」
がオススメです。
なぜこの評価になったのか、項目別に解説していきます。
使いやすさ|
復元前のプレビュー機能は良いのですが、エラーで落ちることもしばしば。
落ちると再度スキャンしないといけないので、時間がかかります…。
その上、動画ファイルは「最初の一コマ画像」としてしか表示できません。
プレビュー時のエラー画面

また、スキャン中に復元作業を並行してできないため、スキャン完了まで待たないといけません。フォルダの中身をみるたびに、読み込みが入って時間がかかるため、少し動作がもっさりした印象でした…。

結構ストレスを感じるかもしれません…。
スキャン時間|
「クイックスキャン」と「詳細・AIスキャン」を製品別で比較しました。


なぜか詳細スキャンの代わりとなる機能「AIスキャン」が一瞬で完了します…。
検出ファイル数|
よく利用する「Dドライブ」をスキャンし、削除データの検出数を他社製品と比較してみました。


フリーソフト「Recuva」より検出数が低くなるという結果となりました…。また、他社の「詳細スキャン」と「AIスキャン」の違いが、体感わかりませんでした…。
データ復元速度|
ここに顕著な差はでませんでした。


「Recoverit」や「EaseUS」は、プロ版を持っていないため未検証となります。
復元できたデータ|
USBメモリーに約10GBのデータを保存後にすぐ削除し、復元した結果を記載します。
※「EaseUS」と「Recoverit」は、プレビュー機能で表示できた場合に「OK」と判断しています。
RecoveryFox AI | Recuva | EaseUS Data Recovery Wizard | Recoverit | |
---|---|---|---|---|
通常削除 | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 |
完全削除 | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 |
クイックフォーマット | 復元約80% ※画像・動画が表示できない | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 |
通常フォーマット | 復元不可 | 復元不可 | 復元不可 | 復元不可 |

・・・無料の「Recuva」の方が「RecoveryFox AI」より復元力が高かったです…。衝撃でした…。
個人的にはまず無料ソフトの「Recuva」で復元を試してみて、できなかった場合は有料ソフト「EaseUS」や「Recoverit」のプレビュー機能で確認する方法をオススメします。
プレビュー機能とは?
多くのデータ復元ソフトには、製品購入前に対象ファイルが復元可能かチェックできる「プレビュー機能」が搭載されています。
もし復元したいファイルがあった場合、まずはこの機能を使って購入前に復元ファイルが正常に表示できるか確認しましょう。問題なく表示できれば、そのソフトで復元できる可能性が高いということになります。

無駄な出費を抑えるために、かならずこのステップは忘れないようにしましょう!
他社製品との比較
データ復元ソフトで有名な会社の「機能」や「価格」を比較しました。
ソフト名・企業・国籍 | RecoveryFox AI 【WonderFox Soft|中国】 | Recuva 【Piriform Software Ltd. |イギリス】 | EaseUS Data Recovery Wizard 【EaseUS|中国】 | Recoverit 【Wondershare|中国】 | ファイナルデータ 【AOSテクノロジーズ|日本】 |
---|---|---|---|---|---|
AI搭載 | - | - | - | ||
復元率 (公表値) | 98% | 無料版: 65% 有料版: 80% | 99.7% | 99.5% | 95% |
対応OS | Windows 7~11 | Windows Vista~11 | Windows 7~11 Windows Server | Windows 7~11 macOS 10.11+ (Apple Silicon含む) | Windows XP~11 |
対応ファイルシステム | NTFS, exFAT, FAT32 | NTFS, FAT, exFAT | NTFS/EXFAT/FAT ext2/ext3/HFS+/ReFS | NTFS, FAT12/16/32, exFAT, ReFS APFS, HFS+, HFS X, FAT, exFAT, NTFS,Linux formats | exFAT, AFT, FAT12/16/32 NTFS4.0/5.0/5.1, CDFS, UDFS UDF1.5/2.0圧縮ファイル, NTFS暗号化ファイル |
対応ストレージデバイス | HDD, SSD, USB, SDカードなど クラッシュPC | HDD, SSD, USB, SDカードなど クラッシュPC | HDD, SSD, USB, SDカードなど クラッシュPC | HDD, SSD, USB, SDカードなど クラッシュPC,NAS | HDD, SSD, USB, SDカードなど クラッシュPC,NAS |
ブータブルメディア作成 (起動不可のPCの復元) | - | - | |||
ファイル修復機能 | - | - | |||
RAID復元 | - | - | |||
無料版の制限 | 復元不可(プレビューのみ) | 復元可能(サイズ制限なし) | 復元可能(合計2GBまで) | 復元可能(100MBまで) | 復元不可(プレビューのみ) |
価格帯 (概算) | ・1週間: 7,980円 ・1ヶ月: 9,980円 ・1年: 11,980円 ・永久: 15,980円 | 年間のみ ・プロフェッショナル版: 2,380円 ・CCleaner Professional Plus: 5,800円 | ・1ヶ月: 9,790円 ・1年: 13,090円 ・永久: 19,690円 | 月額: 7,980円 永久: 12,980円 永久: 20,940円(5 PC) | 永久のみ ・パッケージ版: 11,880円 ・ダウンロード版: 8,118円 |
無料で済ませたいなら「Recuva」、プレビュー機能が高いことや試用の使い勝手を重視するなら「EaseUS Data Recovery Wizard」が良いと言えます。
「RecoveryFox AI」は修復機能がない分、同じAI搭載の「Recoverit」より安くなっていますが、実際の検証結果から、「RecoveryFox AI」は復旧性能が高くないためオススメできません。
修復機能とは?
復元したファイルは、データ破損によって読み込めなくなることが多いため、修復することによって読み込めるようにする機能のことです。

完全修復は難しいため、最低限の読み込みができるようになる程度と認識してください。
製品詳細
「Recovery Fox AI」の製品について、簡単に紹介します。
とされています。
また、「無料版」と「有料版」の違いは、以下のとおりです。
RecoveryFox AI 【WonderFox Soft|中国】 |
||
---|---|---|
プラン | 無料版 | 有料版 |
スキャンモード | クイックスキャンのみ | クイックスキャン+AIディープスキャン |
プレビュー | ||
復元機能 | - | |
復旧可能ファイル数制限 | - | 制限なし |
対応OS | Windows 11/10/8.1/8/7/Vista ※LinuxやMacは対応不可 | Windows 11/10/8.1/8/7/Vista ※LinuxやMacは対応不可 |
対応デバイス | HDD/SSD/USBメモリ/SDカードなど | HDD/SSD/USBメモリ/SDカードなど |
言語 | 日本語対応 | 日本語対応 |
ライセンス形態・料金 | 無料 | ・1週間: 7,980円 ・1ヶ月: 9,980円 ・1年: 11,980円 ・永久: 15,980円 |
もし購入される場合は、無料版の「プレビュー機能」で復元可否をチェック後、有料版を購入する流れになります。
使用方法
「RecoveryFox AI」のインストールからデータ復元までの手順を解説します。ご購入前の使用感をイメージする際にご活用ください。
- 1
- 2インストールファイルをダウンロードする
公式サイトの「無料ダウンロード」をクリックし、ダウンロードしたファイルの場所にアクセスします。
- 3インストールする
インストールファイルをダブルクリックし、起動します。
使用言語は標準で「日本語」になっているので、どんどん次へ進みます。規約に同意し、インストール先フォルダを選択後、インストールします。
しばらく待つとインストールが完了するので、完了をクリックしてソフトを起動します。
- 4復元したいドライブを選択する
PCに接続しているストレージが表示されるので、データ復元したいドライブを選択します。
以下のようなスキャン画面になります。処理が完了するまで何もできないため、しばらく待ちます。
使用済み2TBのSSDで「約40分」かかります。気長に待ちましょう。
- 5クイックスキャン完了後、AIスキャンを続行する
クイックスキャン完了後、自動的に「AIスキャン」に移ります。以下の画面になりますので、完了するまでさらに待ちます。
ストレージに「未使用領域」が多い場合、以下のような警告が表示されます。その領域はAIスキャンをしても検出できないので、OKをクリックしてスキャンをキャンセルしましょう。
スキャンが完了すると、以下のように「AIスキャン完了」と表示されます。
- 6復元したいファイルを選択する
復元したいファイルの探し方は、大きく分けて「2種類」あります。
パス別
損傷が小さくてフォルダ構造が残っている場合種類別(拡張子別)
フォルダ構成が残っていない場合
復元したいファイルの種類や拡張子を覚えている場合これは状況によって変わりますので、探しやすい方法を選択してください。
次の機能を活用することで、さらにファイルを絞り込むことが可能です。簡単ですので、ぜひ活用してください。
フィルター機能:最終更新日やファイルサイズで絞り込む
検索機能:ファイル名や拡張子で絞り込む - 7プレビュー機能でファイルの生存を確認する
復元したいファイルを右クリックし、「内容プレビュー」を選択します。
正常に表示できた場合は、復元できる可能性が高いファイルと判断できます。
- 8復元ファイルの保存先を選択する
復元したいファイルにチェックにすべてチェックを入れて、右下のデータ復元をクリックします。
その後、復元ファイルの保存先を選択します。
復元に時間がかかるため、完了するまで待ちます。
10TBで約80秒かかりました!待ち時間の参考にしてください。
- 9復元ファイルの正常性を確認する
復元完了後にOKをクリックすると、復元ファイルの保存先にアクセスできます。
画像や動画などを開いてください。
復元完了!
復元する方法は、以上となります。
データ復元性能の検証
USBドライブに様々なファイルを保存後、異なる削除方法でデータを復元できるかどうかを検証してみました。
結果:「RecoveryFox AI」が一番復元率が悪い
RecoveryFox AI | Recuva | EaseUS Data Recovery Wizard | Recoverit | |
---|---|---|---|---|
通常削除 | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 |
完全削除 | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 |
クイックフォーマット | 復元約80% ※画像・動画が表示できない | 完全復元 | 完全復元 | 完全復元 |
通常フォーマット | 復元不可 | 復元不可 | 復元不可 | 復元不可 |

クイックフォーマット」ではデータが復元できてしまうため、メルカリなどでストレージを売却する際は、必ず「通常フォーマット」でデータを完全に消去しましょう。これは良い教訓になりました!!
検証に使用したファイルは、以下のとおりです。
用意したデータ(合計:約10GB)
テキスト: 拡張子「.txt」- 2ファイル
半角英数字 / 半角英数字+日常漢字
Word:拡張子「.docx」- 3ファイル
半角英数字 / 半角英数字+日常漢字 / 半角英数字+日常漢字+画像
Excel:拡張子「.xlsx」- 3ファイル
半角英数字 / 半角英数字+日常漢字 / 半角英数字+日常漢字+画像
Power Point:拡張子「.pptx」- 3ファイル
半角英数字 / 半角英数字+日常漢字 / 半角英数字+日常漢字+画像
画像:拡張子「.jpg」「.png」「.bmp」「.webp」-各2ファイル
3MB以下の小さい画像 / 5MB以上の4K画像
音楽:拡張子「.aac」「.mp3」「.wav」「.flac」-各31ファイル
とあるアーティストのCD2枚組
動画:「.mp4」「.avi」「.mov」-各2ファイル
約10秒の2K映像(10MB) / 約5分の4K映像(500MB)
圧縮ファイル:「.zip」「.7z」-各2ファイル
上記「ドキュメントファイル 4種」を圧縮(1MB)
上記「メディアファイル 3種」を圧縮(3GB)
また、削除方法はこちらになります。
削除方法
検証①:通常削除(ゴミ箱)での復元
検証②:完全削除(Shift+Delete)での復元
検証③:クイックフォーマット後の復元
検証④:通常フォーマット後の復元
復元ファイルの正常性は、フリーソフト「HashMyFiles」を使い、CRC/ハッシュ検証で確認しています。

CRC/ハッシュはいわば「ファイルの指紋」。元ファイルと復元ファイルのCRC/ハッシュが同じであれば、完全に復元されたと証明できるわけです。
チェック方法は非常に簡単で、「元ファイル」と「復元ファイル」をソフトに放り込んで、色が変化するか確認するだけです。

フリーソフト「HashMyFiles」が気になる方は、こちらをクリックしてダウンロードしてください。
まとめ
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。
復元ソフトの使用は「最終手段」であって、日頃からバックアップの大切さがお分かり頂けたかと思います。

バックアップはコスパ最強の「UGREEN NAS」がオススメです。3ヶ月以上使い続けていますが、めちゃくちゃ便利!
「バックアップ」に興味のある方はぜひ、こちらの記事もあわせてご一読ください。
不明な点がございましたら、気軽にお問合せフォームよりご連絡をお願いします。できる限りサポートさせて頂きます。
それではまた会いましょう!

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